とあるリモートワーカーの1日―リモートワーク歴2年が経過しました
2013年6月からリモートワークを開始して2015年ももうすぐ8月を迎えようとしています。 2年も経てば私も立派な「リモートワーカー」な気がして、色々振り返ってみようと思います。
振り返る前に、前提として現状をまとめておきます。
- 大阪のWeb制作会社でWebデザイナーをやっています。主な業務はWebデザイン、マークアップ、WordPress構築、その他ディレクション的なこと(他のデザイナーさんにお仕事を振ったり、外部との折衝など)も少々。ごくたまに社員の名刺データを作ったりもします。
- 住まいは兵庫県西宮市。週に一度は大阪にある本社に出勤しています。
- 副業にも理解がある会社なので、個人案件も請け負っています。(が、現在は妊娠中のためほとんど仕事がありません・泣)
- 1日6時間就業(うち30分休憩)しています。月給制です。業務のノルマはありません。が、納期は共有されているので6時間より長く働くこともあります。その代わり長く働いた余剰分は他の日の勤務時間で調整してもOK。
- 会社のほとんどの人は出勤して作業をしていますが、寝込むほどではない病気・台風などによる交通機関の不通・残業明けの場合は自宅での作業が容認されているようです。
- 作業場所は自宅の居間か自分の部屋です。気分や季節によって変えています。
自分の部屋。メインマシンはMacBook Air 13インチ(2012年6月モデル)。居間でもこの部屋でもデュアルモニタになるように整えています。(大きいモニタが欲しい今日この頃です。)
リモートワークをするきっかけとしては、前職を辞めたところを今の会社の社長に誘ってもらいました。 子どもが欲しかったのでしばらく休もうと思っていましたが、
- いつになるか分からないけど子どもが出来たら産休に入ってもOK
- 通勤に時間がかかるということもありリモートワークでOKと好条件を出してもらえた
ということだったので、気軽な気持ちで始めたのが今に至ります。2年も続くというのは社風と勤務体系が自分に合っていたんだと思います。今では、他に産休に入った同僚がいるのも安心で心強いです。
とあるリモートワーカーの1日
せっかくなのである日の業務の様子をまとめてみます。
円グラフが簡単で分かりやすいと思いますが、書ききれなかったことを以下にまとめておきます。
午前中
- 7時過ぎとか8時前ころに起床。起きる時間はまちまちですが、頑張って夫の出勤をお見送りします。
- 朝ごはん、身支度、ちょっとした家事や用事を済ませて10時頃に作業を開始。この時間に個人案件の作業をしたり、ブログ記事を書くこともあります。自由。
リモートワークな上にフレックスタイム制なので、好きな時間から作業を開始します。 会社に出勤している同僚も(職種によりますが)11時や11時半頃来てもOKだったはず。
- Slackを使って作業開始を通知します。「おはようございます。今日は10:00から16:00まで自宅作業で、◎◎案件と▼▼案件をやります。」などと1日の作業内容を申告しています。(特に強制はされていませんが、ただでさえ姿が見えないので積極的に書くようにしています。)
2年ほどは自由な時間に作業を開始していましたが、最近は会社で共有しているGoogle カレンダーに「10:00〜16:00 自宅作業」など予め共有するようにしています。理由は第一に私の作業時間を会社の人が把握しやすいため。第二に1日6時間の枠をなるべく超えたくないため(残業予防)。といってもあまり抑止力はない。
使っているツール
ここで、普段の業務に使っている主なツールをご紹介します。
- タスク管理ツール:Backlog
- チャットツール:Slackとチャットワーク(ChatWork)
- バージョン管理ツール:Git(ちょっと前までSubversionを使っていました。)
- オンライン会議ツール:appear.in、1meeting(ちょっと前までChatWork Liveを使っていました。)
- スケジュール共有ツール:Google カレンダー
- メール(主に外部とのやりとりと社内への共有のみ。社内でのやりとりにメールはほぼ使いません。)
あとはGoogle DriveとかWikiとかDropboxなど、必要に応じて使っています。
仕事を開始するときにBacklogをチェックしてタスクがないか確認、Slackにレスがないか確認、何もなければ手持ちタスクを続けたり、新たにタスクを見つけたりしています。
また、最近のマイブームはポモドーロ・テクニックで業務効率をアップすること。 タスクを短時間に分割して集中してこなし、短い休憩をはさむ方法です。 これについてはまた詳しく書きたいと思っています。
※追記(2015年9月24日):ポモドーロ・テクニックで使っているアプリについて記事を書きました。
時間を区切って集中する「ポモドーロ・テクニック」のシンプルでおしゃれなiPhoneアプリ「25」
お昼
- 13:00過ぎくらいに食べています。「お昼行ってきます」とログを残すこともありましたが、最近は特に何も言わずに食べています。というのも、お昼は自宅で食べることがほとんど。Slackに通知があればすぐ対応出来るので、特に何も言わずに食べることが多いです。(みんなが「いってらっしゃい」って書いてくれるのが申し訳ないなーと思ったのもあります。)
- お昼は録画したテレビを見ながら食べたりします。基本的に作業中は無音なので、お昼休憩中に何か映像を見たり音を聞いたりしないとかなり寂しい1日に。休憩であるということを明確に体感するためにも、なるべく映像を見るようにしています。見るのはアニメとか海外ドラマとか。
- 早く食べ終わったら食器を洗ったり。
午後
お腹いっぱいになったら作業再開。
- SlackやBacklog、Gitをフル活用。必要とあらばオンラインでMTGをしますが、殆どは文字だけで完結することが多いです。
- 17時前までにチームMTG。今日1日でやったこと、明日の予定を各人で報告。何か共有事項があればチーム内で話し合います。appear.inを使ってだいたい5分〜10分で済みます。
- 時間になったら終業。Slackで「おつかれさまー!」と報告して仕事を終えます。
だいたいこの辺まで働くと意識が朦朧としているので、しばらくボーっとしています。あとは家事をやったり買い物に出かけたり、洗濯物を取り込んだり。 そして夕飯の支度へ、という流れの毎日です。
オフィス勤務と違ってよかったこと
これはたくさんあります。そしてこれがあるからリモートワークを続けられます。
通勤がない
通勤がないお陰で自由時間が増えます。また、体力も消耗しません。ストレスフリーです。 以前は兵庫県から京都府まで1時間以上かけて通勤していましたが、満員電車や長時間の電車移動などの苦痛からも解放されました。
自由時間が増える
これは通勤がないことと関係していますが、通勤時間というのは本当に無駄なもので、例え読書をして有意義に過ごそうとも、どうしても割に合わない気がします。 今まで往復2時間かかっていた通勤時間が丸々自由時間になるのは、とても魅力的です。
うるさくない
週に一度オフィスに行くと痛感するのですが、オフィスは様々な音や刺激で溢れています。電話、人の話し声、絶え間なく流れるラジオ(FM802)など。うるさくても集中出来る人は大丈夫だと思いますが、私は音に気を取られてしまうタイプ。特にWordPressのカスタマイズや難しい箇所を対応している時に音がすると、「キーッ!」となってしまいます。
今の会社では一度もありませんが、以前勤めていた会社では社長の怒声が鳴り響くことがしょっちゅうありました。怖いから聞きたくないのに大声だからどうしても耳に入ります。集中したいのに全く集中出来ません。いつ起こるか分からない怒声にビクビクしながら仕事をするのは辛かったです。
どこの会社でもそんなものかなーと思っていましたが、今の会社に入って「全くそんなことはない」ことが分かって良かったです。怒声でストレスを感じている人は今すぐ転職しましょう。
話が脱線しましたが、自宅で作業する場合は静かに集中して作業することが出来ます。逆に、音楽を聞きながら集中したい人は、自分の好きな音楽を流して作業することも出来ます。
自宅が支店になる
これは会社にとってのメリットでもあるかもしれません。 大阪の会社とはいえ全国にお客様がいます。私は自宅が兵庫なので、兵庫県内のお客様を往訪することがあります。 大阪から社員が神戸や西宮に出向くよりも、西宮の私が出向く方が交通費も安いのでお得ではないでしょうか。 私自身、いつも他の人にまかせてばかりは心苦しいですが、神戸・西宮方面はまかせて!と役に立てている感じがして救われています。
リモートワークのここが辛い
リモートワークは概ね良い影響が多いですが、たまに辛い時があります。
家に引きこもりがちになる
週に1度しか通勤がないので、下手をすると1週間のうち4日は自宅から出ません。 私はそれほど苦ではないのですが、
- 運動不足
- 人恋しい
- たまにしゃべろうとすると声がでない
- 晴れやかな気分になりにくい
など、引きこもりの人のような症状が出ます。
私は夫と2人暮らしなので夜になると夫と話すことが出来ますし、人恋しい場合は週に1度の出社がウキウキと楽しいものになる時もありますが、人によっては決定的に辛いかもしれません。
オン・オフの切り替えが難しい
例えば仕事で難しい部分にあたってしまうと、ズルズルと時間が過ぎても夢中になって仕事をしてしまう時があります。 また、仕事が終わった後でもしばらくボーっとしたり、ダラダラと仕事のことを考えてしまいます。
昔はリフレッシュのため夕方に勉強会などに外出していましたが、現在妊娠中のためなかなかそれも出来なくなりました。
新しく入った人を認識するまで時間がかかる
新しく入社された人を把握するまでに時間がかかります。 毎日顔を合わせていれば分かりやすいのですが、週に一度会えるか会えないかで、すれ違うことも多いです。 逆に、オンライン上であってもお互いの顔を見る機会が多ければ問題は解決するかもしれません。
インターネットやツールに左右される
例えばオンラインMTGなどでも、音声が聞き取りづらい・動画がカクカクする状態だと、お互いにとても苦痛です。 また、Wi-Fiがつながらなくなったらその日は仕事が出来なくなるかもしれません。(自宅のWi-Fiが短時間途切れることは今まで何度かありました。) 他にも、インターネットを経由するツールがメンテナンスで使えなくなったりなど、インターネットへの依存度はかなり高いです。 もしインターネットがなくなったらテザリングでやり過ごす、もし音声が悪いならマイクを変えてみるなど、予備ツールを持つことと、「商売道具磨き」は大切だと思います。
自宅がうるさいと逃げ場がなくなる
自宅前にマンションが建つことになったり、近所の道路工事など、騒音が発生すると辛いです。 これは運次第という感じですが、こんなことがあるのは想像していなかったです。 以前はコワーキングスペースを利用することもありましたが、どうしてもお話ししてしまうため多少うるさくても今は自宅で我慢しています。
リモートワーカーやこれからリモートワークを始めるひと、会社に取り入れたい人にオススメの書籍
最後に、私が自信を持って「リモートワーカー」を自称出来るようになったきっかけとなった本を紹介します。
「リモートワークしてます」というと「楽でいいねぇ」と返されることがあります。まさにその通りです。
職種によっては不可能かもしれませんが、リモートワーク出来るのにしないのはどうしてなんでしょうか。リモートワークに好適なWeb業界ですら、「まだリモートワークの体制が整っていなくて…」とか、「1人だけリモートワークするのは不公平だし…」などと及び腰な会社が多いです。それを聞く度に残念な気持ちになります。 そんな人にこそ、まずはこの本を読んでほしいと思います。
1人だけリモートワークするのが不公平なら、希望者全員をリモートワーカーにすれば良いと思います。 不公平さを盾に、会社に行かなくても良い人々が我慢して出勤し続けるのはとても不幸だと思いませんか?
最近ではリモートワーク出来る会社を集めた求人・転職メディア Paraft(パラフト)も出てきました。今はまだ東京がメインのようですが、今後大阪も展開するというウワサを中の人に聞きました。 益々幸せなリモートワーカーが増えることを願っています。
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こんばんは 非IT系企業のものです。最近リモートワークを知りました。
興味を持っているよりも、これからはどの企業もITを戦略的に取り入れざるを得ないでしょうね。
さてツールですが、これはどのようにして決めたのですか。本社からの指示ですか。使用方法がわからなくても本社が指導してくれるのですか。私の会社なんかだれもいないので、どのように社員に落とし込むか悩ましいです。
Slackというツールですが、労務管理でもできるみたいですが、こういったツールの使い方で疑問が起きたときはどう解決したのでしょうか。しかしいろいろなツールがありますね。いろいろあって興味は尽きないのですが、こなすのが大変みたいだし、QAサイトもないでしょう。
コメントありがとうございます。
使用ツールについてはネット上から情報を集めて、良さそうなものを取り入れたりしています。
最近はフリーのものも多く、試用できるので便利になりました。
私の所属する会社は、本社・支社などない小さな制作会社です。
社員から発案して新しいツールを使うこともあれば、社長の提案でツールを使いはじめることもあります。
Slackについては、困ったことがあればネットで検索すればたくさんの情報が出てきますので、だいたいはそれで解決できています。
回答ありがとうございます。コメントを送信しようとしたらエラーがでたので、てっきりだめだと思いました。2つ目のコメントを削除してください。IT系の企業だから最初から知らなくても使っているうちにお互いに相談しながら使っていくのですね。
今後ともよろしくお願いします。
遅くなりましたが2つ目のコメントを削除致しました。
こちらこそ、今後とも宜しくお願いいたします。
[…] ーカー」というやつです。すごく働きやすくて助かっていました。(リモートワークについてはとあるリモートワーカーの1日―リモートワーク歴2年が経過しましたにまとめています。) […]