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震災から20年目にTEDxKobeSalon vol.02″Facing Barriers”へ参加、そしてマーラー:交響曲 第2番「復活」を聴く


「バリアに向き合う」、「復活」、そして「畑を耕そう」

Facing barriers
昨日1月17日は、阪神・淡路大震災からちょうど20年でした。

私が何をしていたかといえば、TEDxKobeSalon vol.02: “Facing Barriers”に、スタッフ兼Participantとして参加していました。
様々な「バリア」に向きあうというテーマで行われた今回のTEDxKobeSalonは、運営の慌ただしさと参加の楽しさのうちに終了。

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なぜ今回のTEDxKobeSalon vol.02が震災の日に開催されたのか。
その意図が端的に表わされた、オーガナイザーの素敵なコメントをここに引用します。

あなたにとって「1.17」とはどんな日でしょうか。
1995年1月17日。誰かの誕生日や、何かの記念日でもあったであろう「ただの一日」は、突如として発生した阪神・淡路大震災の当事者にとって、複雑な意味を持つようになりました。大切な人を悼む日、忌まわしい日、また人生の転機を迎えた日。多くの人にとって忘れられない日となった一方で、直接関わることがなかった方にとっては、今年もほかの日と変わらない日常が過ぎてゆくのかもしれません。

災害がもたらす多くの障壁には、立場と状況の違いから生まれる意識の壁も含まれるのではないでしょうか。大切なものを失った人、自分のできる限りを尽くした人、優しさに気づいた人、遠くから励ました人、何もできなかった人。同じ災害を見つめながら、その受け止め方は千差万別です。ましてや、20年を経て震災経験者が6割になった神戸で震災を想うとき、遠慮や配慮に混じって、諦めや疎外感といった壁をこころの内側に感じることはないでしょうか。災害に限らず、様々な体験を通して形作られる個人の考え方。こころの内外に自分のものさしで枠を作ったり、扉を開いたりしながら形成するのかもしれません。

TEDxKobeSalon vol.2は、20年目の「1.17」の節目となる日に、誰しも持つであろう「壁」に向き合う機会とします。そして、この壁に向き合う行為を通して、多様なアイデアを深め、広げます。
TEDxKobeオーガナイザー/舟橋健雄
TEDxKobeSalon: Facing Barriers – TEDxKobe: Ideas worth spreading

オーガナイザーの舟橋さん、コ・オーガナイザーの鈴木さんがどんな思いで開催に至ったのかは、取材して頂いた朝日新聞の記事も是非ご参照下さい。

兵庫)「被災者」って誰? 17日に語り合い交流:朝日新聞デジタル

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わたしの1.17

阪神・淡路大震災が起きた時、地元山口県で中学生だった私は、朝起きてテレビのニュース映像に釘付けになり、ただ呆然とするだけの子どもでした。

私は被災者でもないし、震災で誰かを失った訳でもありません。
部外者という意識からか、その後19回の1.17をいつも居心地悪く感じていたように思います。

そんな私が2011年に、特に縁者が居たわけでもない西宮市(神戸と大阪から電車で15分くらいのところ)に引っ越してきました。
神戸への距離が近くなり、神戸の友人がたくさん出来ました。そのおかげで、20年経った今でも1.17を特別な思いで迎えている人がたくさん居ることを、間近で見ることができるようになりました。
テレビ越しではなく、身近な問題として捉えられる事ができるようになったのは、西宮に引っ越してきて良かったことの1つです。

また、今回のTEDxKobeSalon vol.02への参加を通じて、部外者で疎外感を持っていた私を肯定された気がして、とても気分が軽くなりました。

マーラー「復活」とバーンスタイン”Make Our Garden Grow(僕らの畑を耕そう)”

私はこの2年ほど、HYOGO PAC ORCHESTRA (兵庫芸術文化センター管弦楽団)の定期会員券を購入しています。

PACオーケストラは兵庫県立芸術文化センターを拠点に活動する、専属のオーケストラです。

震災後10年が経ち、この街は住む人々の勇気と力で、ふたたび美しく強い街となりました。 この街の未来が優しく強くあり続けるよう願いを込めて、2005年の秋、文化復興の街のシンボルとして「兵庫県立芸術文化センター」がオープン。 PACオケは、この「兵庫県立芸術文化センター」の専属オーケストラ。「ひょうご」を拠点に、すべての人々の心に明るいエネルギーを届けるような音楽活動を行っていきます。
PACオケのはじまり (兵庫芸術文化センター管弦楽団)

兵庫県立芸術文化センターの芸術監督は、指揮者の佐渡裕さん。

震災から20年と1日経った2015年1月18日の今日、PACオーケストラの定期公演でマーラーの交響曲第2番「復活」を聴きました。
全部で5楽章から成り、90分近い演奏時間の大交響曲です。

1/15に行われた定期会員限定の公開リハーサルも見に行きました。
その時も今日も、佐渡さんは一貫して「どうしても震災20年のこの年に、マーラーの『復活』をやりたかった」とおっしゃっていました。

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※少し入場が遅れたため、最初の10分ほどは外に設置されたモニタから公開リハを見学。

「10年も経たないうちに兵庫県立芸術文化センターを設立しようという話が出たが、本当に建てて良いのかという葛藤もあった。でもこうして20年経ち、街も綺麗に整備された。20年の節目には、マーラーの『復活』をやりたいとずっと思っていた」と佐渡さんはお話しして下さいました。

合唱付きの最終楽章は、鳥肌と涙が止まらない素晴らしいものでした。

鳴り止まない拍手の後、佐渡さんが指揮台に上がって一言。
「普通マーラーの後はアンコールをやらないんですが、今日は特別に用意しました。バーンスタインのキャンディードから”Make Our Garden Grow(僕らの畑を耕そう)”です。」

初めて聞いた曲でしたが、字幕が表示されたのでアンコールとして選ばれた意図が理解できました。
歌詞の内容とシンクロするように徐々に力強くなる合唱。最後には涙と震えが止まりませんでした。

バーンスタイン本人が指揮したYoutubeの動画とともに、その素敵な歌詞から感動的だった部分を抜粋して引用します。

私たちは純粋でもないし 賢くも良い人でもない
できることを一生懸命やるだけ
家を建てて 薪を割って
そして畑を耕すの そう畑を耕そう

夢を見る人には 彼らが喜ぶ世界の夢を見せてあげよう
でもそんなエデンの園はみつからない
かわいい花々や美しい木々は
しっかりとした地面に育つのだから
Notes of The Past – Yoichi Wyeth Suzuki Blog : ♪)MAKE OUR GARDEN GROW

マーラー「復活」からの”Make Our Garden Grow(僕らの畑を耕そう)”。
この流れが感動的で、意図せざる落涙が止まりませんでした。

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20年目の1.17は忘れられない日になりそうです。

私たちは純粋でもないし 賢くも良い人でもない
できることを一生懸命やるだけ

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