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最近読んで面白かった本ベスト8


あいも変わらず本ばかり読んでいる

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やることもないのでひたすら本ばかり読んで過ごしている。ここらでひとつ、最近読んで面白かった本を振り返って見たい。何ヶ月、何年か後に読んで「ああ、こんな本を読んでいた時期もあるなぁ」と懐かしいこと請け合い。私が。

ではいってみよう。

スティーグ・ラーソン「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上下巻)」

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上・下合本版) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

これは夢中になって読める徹夜本入り確定。全3話、それぞれが上下巻なので、シリーズ合計6冊という大作だ。今はまだ「ミレニアム2 火と戯れる女(上)」を読んでいるところ。

ドラゴン・タトゥーの刺青を入れた調査員リスベット・サランデルと、雑誌「ミレニアム」の編集長ミカエル・ブルムクヴィストがタッグを組み、巨悪と戦う話。どんな話か知らずに読み始めたため、最初は面白くなるのか心配でサラリと読んでいたが、「ドラゴン・タトゥーの女」リスベット・サランデルが出てきてから途端に面白くなった。スウェーデンのミステリ小説は今まで読んだことがなかったが、これが最初で良かった。

但し、難点を上げるとすれば登場人物の名前に耳馴染みがないため、覚えるのが大変だった。(それを見越してか登場人物リストが巻頭についていたけど。)特にストーリーの都合上、ヴァンゲル一家勢揃いで出てくるものだから、「これはどのヴァンゲルだ…?」と確認すること数回。途中からは面倒になって確認もせずに読み進めたけど、主要キャラだけ覚えておけば特に不自由はなかった。

梁石日「闇の子供たち」

闇の子供たち (幻冬舎文庫)

実は今、半分まで読み進めたところだ。タイの幼児売春をテーマにしたフィクション。目を背けたくなるような性的虐待を受けるタイの貧しい子どもたち。それを食い物にする大人と、助けようとする大人。幼児の性描写などもあり、嫌悪感を抱く人も多いと思う。でも、もしこれが現実にあるとしたら…?有数の観光地であるタイの、裏の顔を見た気持ちになる。

文章は平易だしストーリーもテンポ良く展開しているので、すぐに読み終われそうだ。読んでいてふと明るい室内に目をやると、現実感がない不思議なきもちになる。凄惨な虐待のシーンは特にだ。日本の平和な日常に戻ると、猛烈な違和感に襲われる。それでも読まなければいけない本なのかもしれない。

高野秀行「メモリークエスト」

メモリークエスト (幻冬舎文庫)

最近は高野秀行の本ばかり読んでいるので、どれを選出するか迷った。でもやっぱりこれ。

一般から募集した、思い出の人・モノを、著者である高野秀行が探す旅。「タイのスーパー小学生」を捜したり、「春画を見せてきた観光地の土産物屋のインド人」を捜したりする。上手く見つかったり見つからなかったり。そして更に、見つかった後に意外な新事実もわかったりして、面白い。

お酒好きな方にはこちらもオススメ。

イスラム飲酒紀行 (SPA!BOOKS)

感想はこちらの記事にまとめたのでご興味のある方はぜひ。
酒飲みは、イスラム教圏でも飲まずにはいられないのである – 高野秀行「イスラム飲酒紀行」 | Webooker

窪美澄「晴天の迷いクジラ」

晴天の迷いクジラ

「窪美澄(くぼ みすみ)」の名前を初めて知ったのが本作だ。他にも作品を出しているようだが、それはまだ読んだことがない。

Kindleストア 窪美澄

何度目にしても何故かタイトルが覚えられなかった。「クジラの…あれ?晴れた日の、だっけ?」といった調子だったのに、読み終わったらバッチリ覚えた。ストーリーをなぞれば、タイトルが実感を伴って理解出来た。話自体は割りと暗い。青年と、少女と、中年の女たちの人生が、クジラという接点を持って集約されていく。でも、どの登場人物の人生も、自分の心の中に問えば、似たような体験がある気がする。

精神状態が良くて、何か考えてみたい時に読むのがいいかもしれない。

中田永一「くちびるに歌を」

くちびるに歌を

なんという爽やか青春ストーリー。特に「晴天の迷いクジラ」の後で紹介すると余計そう感じる。

五島列島に住む合唱部の中学生たちが、合唱コンクールに向けて頑張る。ただそれだけの話だ。それなのに、中学生だった頃の甘酸っぱい気持ちが思い出される。「中学生も、中学生なりに色々考えてるんだよなぁ」なんて、当たり前の事をしみじみ思ったりした。

作中に「手紙 〜拝啓 十五の君へ〜」が、合唱曲として出てくる。この歌はきちんとは知らなかったのだが、この本がきっかけで知ることができた。元々は合唱コンクールの課題曲として書き下ろされた「手紙」という曲を、アンジェラ・アキが自身の歌唱用に編曲したものだそうだ。

教師と、中学生。それぞれの立場でこの歌を指揮し、歌う。15歳の時に思ってた理想の大人に、今自分はなっているだろうか。ピュアなこのストーリーから、そんなことをふと思った。

吉田修一「横道世之介」

横道世之介

世代は変わって大学生。明るいのに抜け目ない。図々しいのに誰からも嫌われない横道世之介の大学生活。最後まで読まなかったら、「悪人」と同じ作者だってことをずっと疑いつづけたに違いない。でも、最後まで読んで納得。
悪人

こちらの記事にも感想を書いているので、ぜひ。
【ワクワクの】大学進学~学生生活がメインストーリーの本まとめ【大学デビュー】 | Webooker

原田マハ「楽園のカンヴァス」


2013年本屋大賞候補作。結果は4/9に出るとのことなので楽しみだ。ノミネートされたことと、周囲からの「面白い」という声に興味をそそられ、読んでみた。大原美術館の監視員の女性が、MOMAのキュレーターとともに、アンリ・ルソーの「夢」という作品に込められた謎を解き明かす、アートミステリーだ。(アートミステリーなんて分野があるのかは謎だが)

中でも面白かったのは、アンリ・ルソーについて書かれた書物。売れない画家だったアンリ・ルソーの生活と、老いらくの恋。そしてパブロ・ピカソとの親交を描いていた。フィクションである以上、どこまでが本当かは分からないが、ルソー自身にも興味が湧いてくる。

当時の画壇におけるアンリ・ルソーの評価の低さ。ルソーの魅力にいち早く気づき、布教活動に務めたアート界隈の人たち。良質の文化的ミステリだった。

クリス・アンダーソン「MAKERS」

MAKERS―21世紀の産業革命が始まる

この記事唯一のIT系実用書。前作「FREE」も面白かったけど、「MAKERS」の面白さは更に上回っている。それは、MAKERS関連で既にこれだけ記事を書いていることでも分かっていただけるのではないか。

とにかく3Dプリンタの未来の可能性について、考えるだけで本当にワクワクしてくる。誰もが”MAKERS”になる時代が、既にやってきたのだ。自分には一体何が出来るのか、どんな物を作りたいかを妄想するだけで小一時間潰せる。「21世紀の産業革命」を、楽しみに待っている。

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