「新聞の電子版が高すぎる」に同意。日本では電子版を発行している新聞社自体が僅少。
新聞の電子版を高いと感じている人が多い事実
こちらの記事に共感したので、まとめてみる。
タブレットオーナー、低価格の電子新聞を要求 – ITmedia eBook USER
記事を要約すると、「タブレットユーザの8割が、月額15ドル(日本円で1,500円程度)の購読料が高すぎると感じている。記事のジャンルごとのバラ売りについて、ユーザの感心が高かった」、というものだ。
アメリカ:1500円、日本:4,000円
む?15ドル?充分安く思える。なぜか。
以前少し調べた時に、日本ではもっと高かった記憶があるからだ。
今回、これを機にと電子版の新聞について調べてみた。日本ではアメリカの何倍も高い上に、電子版自体の種類が少なくてビックリした。選択肢はほぼないに等しい。
電子版の新聞を発行している主要新聞社は、なんと3社しか見つからなかった。(+1社は、twitterと連動した電子版という謎仕様。)
以下にまとめてみた。
朝日新聞デジタルコース
こちらは月額3,800円。紙の新聞を購読している人は、新聞購読料に1,000円プラスすることで、電子版も利用することができる。スマートフォン、タブレット、PCのマルチデバイスに対応している。一般紙では唯一、電子版をマルチデバイスで利用することができる新聞社だ。
日本経済新聞電子版
こちらはなんと月額4,000円だ。
こちらも、紙の新聞を購読している人はプラス1,000円で電子版も読めるようになる。…というが、個人的には紙も電子版も両方はいらないと思ってしまう。それに、両方を購読すると月額4,568円(全日版)もかかってしまう。
産経NetView
こちらはちょっと変わった電子版だ。ブラウザ上で閲覧出来る電子新聞になっており、1週間分の記事が見られる「週間パック」が月額315円、過去1ヶ月分の記事が見られる「月間パック」が月額420円。電子版を出している新聞社の中ではダントツの安さだ。
但し、Adobe Flash Playerを使ってブラウザ上で表示するものなので、Flash非対応のスマートフォンや電子書籍リーダーでは見る事ができない。それもあってこの安さなのかもしれない。持ち運べるデバイスで読めないのは少し不便である。
MAINICHI RT
毎日新聞は、海外在住者向けに電子版を提供しているが、日本からは接続できない仕様になっている。また、それとは別に「MAINICHI RT」というサービスを提供しており、こちらはtwitterと連動した内容になっているようだ。
毎日新聞社のニュースサイト「毎日jp」にアップされる日々の記事を、過去24時間のアクセスランキングをもとにピックアップして、ツイッター(@mainichiRT)に寄せられたツイートとともに掲載しています。
1号購入で85円、月額で900円となっている。値段としては安いが、twitterのアクセスランキングというフィルターがかかってしまうので、本当に新聞が読みたい人には向かない。(少なくとも私には「これじゃない」感がある。)
日本ではまだまだ電子版新聞の種類が少ない。そして高い。
今の日本はきっと、電子版新聞の黎明期なのだろう。持ち運べるデバイスで新聞を見ようと思ったら、一般紙では朝日新聞、専門紙では日本経済新聞しかないのが現状だ。
また、冒頭にまとめた記事にもあったように、各セクションごとの記事をバラ売りにする手法はぜひ採用してほしい。例えばスポーツファンはスポーツカテゴリだけを安く購読できるし、IT業界に興味のある人はIT・テクノロジカテゴリだけを安く購読する事が出来る。iTunesでアルバムの曲を1曲から購入出来る気軽さと喜びを知ってしまった今、新聞もそういう新しい売り方を採用する時代に差し掛かったのではないだろうか。