芥川賞・直木賞各賞の受賞作が決定!
以前、こちらの記事(第149回芥川・直木賞候補作を一覧にまとめてみた)で候補作をまとめたが、2013年7月17日(水)に受賞作品が確定した。
芥川賞受賞作品
藤野可織「爪と目」(新潮4月号)
「爪と目」は、3歳の「わたし」の視点から、母の死後、父と再婚した若い女の行状をつづる。身勝手な不倫、幼い子どもへの無関心…。誰もが心に持つ冷淡さが浮かび上がる。
選考委員の島田雅彦さんは「『あなた』という呼び掛けで始まる二人称小説。成功例が少ない中で、これが功を奏しているとの評価があった。表向き優しい人のように振る舞いつつ、何とも言えず底意地の悪い女性の表し方など非常に巧み。彼女の作品の中で一番いいと評価した」と話した。
現在まだ単行本にはなっていない。「新潮4月号」に掲載された作品だという事だが、Amazonでは現在取り扱いがないようだ。今のところ、古書店や図書館で読むほか無さそうだ。
(こういう時にすぐ電子書籍化してくれたら買いたいのになーと思う。)
※2013年7月24日追記
紙の本が2013年7月26日発売とのことで、現在予約受付中だ。Kindle版はそれに遅れて2013年8月2日に発売予定。
直木賞受賞作品
桜木紫乃『ホテルローヤル』(集英社)
電子書籍 紙の本
恋人から投稿ヌード写真撮影に誘われた女性店員、「人格者だが不能」の貧乏寺住職の妻、舅との同居で夫と肌を合わせる時間がない専業主婦、親に家出された女子高生と、妻の浮気に耐える高校教師、働かない十歳年下の夫を持つホテルの清掃係の女性、ホテル経営者も複雑な事情を抱え…。
著者自身も「ずっと書きたかった」「自分の作家人生のターニングポイントとなった」と自認する、記念碑的作品。2012年度直木賞候補作『ラブレス』につながる、気鋭の作家が贈る、ラブと性愛(エロス)の世界。
あらすじを読むとなかなか刺激的だ。ラブと性愛の世界を描いた連作短編集という事だそうだが、果たしてどんな物語なのか。
「読みたい本リスト」に入れたので、手に入り次第読みたいと思う。