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Webデザイナーを目指す人から、こんな質問を頂きました。
Webデザインスクールを卒業しているが、実務経験がありません。
実務経験がない状態でフリーランスとして案件を獲得することはできますか?
Web制作会社で経験を積んでからフリーランスになった方が良いでしょうか?
結論
未経験者がフリーランスで案件を獲得することは、不可能ではないが難しい。
※フリーランスになることはかんたんにできます。
私はWebデザイナーとしてITベンチャー企業に1年、Web制作会社に3年、フリーランスで4年活動してきました。(その間、産前産後休暇、育児休業もあります。)
その経験から、なぜ難しいと考えるかお話します。
制作実績が乏しい
フリーランスWebデザイナーの実力と信頼を図る術は、「ポートフォリオ」(制作実績)しかありません。
実務経験がないので、制作実績もほとんどないと思います。
あなたの実力を判断する基準となるものは、ポートフォリオだけです。
そのポートフォリオに1〜2件程度しか実績がなければ、どうしても「経験不足」というイメージがついてしまいます。
また、素晴らしいデザインの実績だったとしても、それが1件だけだと本当の実力なのか、たまたまうまくいったものなのか計れません。
実績が数件あれば実力のアベレージが見えてきますが、1〜2件では判断が難しいのです。
案件を完遂できる可能性が実績豊富な人より低い
例えば、あなたがクラウドソーシングなどで要件を確認して、これならできそうだとランディングページ(LP)のWebデザインとコーディングの案件を受けたとします。
途中でクライアントから「お問い合わせフォームを追加したいんだが」と言われたときに、調べながらでもいいので実装できるでしょうか。(何をどう調べたら解決できるかという嗅覚があるでしょうか。)
途中でクライアントから「1つセクションを追加したい」と言われた時に、さっと追加できる組み方でコーディングしているでしょうか。(コーディングのノウハウがあるでしょうか。)
納期までに完成できると思っていたけど、思ったよりレスポンシブ化にてこずって中途半端なまま納品してしまった、という事態にならないでしょうか。(工数見積の正確さがあるでしょうか。)
そういった場合、直接聞ける相手や、手伝ってくれる人がいれば調整もできるかもしれませんが、フリーランスは基本的に一人で解決することの方が多いです。
実は私も過去に経験がありますが、一度失った信頼を取り戻すことは難しいです。
どんな人なら案件の獲得が可能か?
- 複数の実績がある(5件以上あると安心感があります。)
- 経験に基づいて、コーディング、デザイン等の工数見積や、金額の見積もりがきちんとできる(LPコーディングなら○営業日でできます、など)
- HTML+CSS、Photoshopなどのデザインツールが満足に使える
- ある程度のスピード感を持って対応ができる
といった人なら可能かと思います。
また、困ったときに助けてくれる実力のあるメンターがいるとより良いと思います。
私も、困ったときはいろんな人に聞いて色々と助けられてきました。
信頼を得ないと次の仕事につながらないため、「案件を受けたが納品できなかった」という事態があればその取引先からの仕事は二度と来ないでしょう。
まずは制作会社勤めをおすすめ
もしWeb制作会社で経験を積んでからフリーランスになることが可能であれば、その道をオススメします。
ただ、年収としてはこんな感じです。
もし未経験からの入社だとこの額より低い可能性もあります。
僕も29歳のWEBデザイナー&コーダー(会社勤務)ですが、2019年度の収入はほぼ300万でした。
— ろん。@仙台でWEB制作(関西に住みたい) (@KoutaRonRon) June 10, 2020
手取りは180万位です。
現実はそんなもんです😭
dodaの職種別平均年収ランキングでも、Webデザイナーの平均年収は
「Webデザイナー」(348万円)
平均年収ランキング 最新版(167職種の平均年収/生涯賃金) |転職ならdoda(デューダ)
とあるので、先程引用したツイートも大きく外れた数字ではありません。クリエィティブ系全体の平均年収は377万円ですから、Webデザイナーはその中でも低い方です。
また、Web制作会社に入るにもある程度の制作実績が必要です。その場合、もし金銭的・時間的に猶予があるようであれば、以下の方法で実績を増やす方法を検討してみてください。
もし、あなたが年齢的に転職が厳しい場合は、いきなりフリーランスという荒波に漕ぎ出すしかないかもしれません。
フリーランスには誰でもなれます。「今日フリーランスになった!」と思えばもうフリーランスです。届け出もいつでもできます。
ただし、未経験でコネも実力もなくフリーランスになることは、武器もなく防具もなしでクエストに出かけるようなもので、スライムを倒すところからスタートです。パーティ(仲間)もなしです。
最初は稼げるお金もわずかかもしれません。
そもそも、フリーランスは成果報酬なので、納品するまでお金をもらえません。(契約にもよります。)しかも、納品してから締日まで間があれば、入金は2ヵ月先なんてこともザラにあります。
フリーランスでもエージェントと契約してクライアント先に常駐する働き方であれば、会社員のような安定した収入を得ることも可能です。
また、クライアントと時給で契約すれば、1ヵ月後には必ず収入があります。
このように、フリーランスには様々な働き方がありますが、よくネット広告で見かけるような「あなたも未経験からかんたんにWebデザイナーに!/フリーランスに!/年収600万円!」という惹句はほぼ9割現実ではありません。1割のスーパーエリートは可能かもしれません。
それでもWebデザイナーは楽しい
厳しい現実を書いてきましたが、なぜ私が10年以上もWebデザイナーを続けているかというと、単純にWebデザイナーの仕事が楽しいからです。
コーディングもデザインも、イラストを描いたりWordPress化したりも、本当に楽しく仕事しています。
新しいツールの登場にワクワクしたり、ウキウキしながらデザインの本を買ったり。
そしてフリーランスという働き方を続けているのは、自由度が高いからです。
現在育児中ということもあり、仕事時間を自由に選べる、すきな仕事だけをすきな働き方で選べる、というのがとても都合が良いです。
大好きな仕事であるWebデザイナーになりたい人を応援したい気持ちがあるので、MENTAにも登録しています。
より詳しくお話しをさせて頂けるようであればMENTAで公開しているメンタープランの【単発プラン】を申し込んで頂ければと思います。