夏に読みたくなる本10冊
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夏だなぁ!という本を集めてみた
今日は7月7日。七夕だ。何か七夕らしいことがしたいと思うが、特に出来る事もなく、なんとなく夏について思考を巡らせる。
その季節に合った本というのはある気がする。夏といえば、青春、照りつける太陽、汗、プール、海…。そんなキーワードから連想する「夏」な作品をまとめてみた。
ロバート・ハインライン「夏への扉」
SFの名作。タイムトラベル系のストーリーだが、読み物として大変に面白かった。
筒井康隆「時をかける少女」
若い人たちにはもう完全にこっち↓のイメージがついているかもしれないが、原作は筒井康隆である。
(古い人たちにはこっち↓のイメージかもしれない。)
高校・青春・夏休み・恋、そしてSF。これでもかという程に胸踊るモチーフを盛り込んだ名作だ。偶然にも冒頭2作は両方SFになってしまった。SFと夏は親和性が高いのだろうか。
蛇足だが、筒井康隆は最近、ライトノベル作家としても作品を上梓している。イラストは「涼宮ハルヒ」シリーズのいとうのいぢだ。御大、非常に精力的である。
北村薫「夜の蝉」
人が死なない「日常の謎」をテーマにした元祖、北村薫の『円紫さん』シリーズ2作目。「六月の花嫁」「夜の蝉」といった梅雨〜夏にかけての短篇集になっている。表紙イラストはかつての少女達にお馴染み、高野文子。
米澤穂信「夏期限定トロピカルパフェ事件」
小市民に徹底しようと努める主人公の小鳩君と、独特の雰囲気を持つ不思議な女生徒・小山内さんのシリーズ第三弾。
甘いものの描写が巧みで、見ているだけで食べたくなる。実際、「秋期限定栗きんとん事件」に出てきたマロングラッセを買って食べたほどだ。
暑い夏と甘いもの、そして波乱に満ちた展開。こちらも人が死なないミステリを得意とする米澤穂信の、可愛らしいけど少し毒もある作品だ。
奥田英朗「イン・ザ・プール」
表紙からして夏らしい。表紙を見せるように本棚に飾っておきたいくらいだ。伊良部総合病院を舞台に、様々な強迫観念症の患者が訪れる、短編集。タイトルにもなっているのは、毎日泳がないと気がすまなくなった水泳中毒の人の話。
全くの余談だが、この表紙を見るとニルヴァーナの名盤「Nevermind」のジャケットを思い出す。(私だけではないはず!)両方お持ちの方はぜひとも並べて飾っていただきたい。
映画化もされている。映画も見たが、シュールで面白かった。伊良部先生は松尾スズキ。独特の雰囲気で、イメージに合っていたと思う。
京極夏彦「姑獲鳥の夏」
夏といえば怪談の季節。怪談といえば妖怪。妖怪といえば京極堂シリーズ?(ちょっと強引?)。こちらは京極堂シリーズの第一作目である。鮮烈なデビュー作となった本作は、私にとっても非常に思い出深い。中学生か高校生の頃だったか、あまりの面白さに寝食を忘れて夢中になって読んだ。難しい漢字がたくさん使ってあるが、ちゃんと読めるのが嬉しかったし、こんなに分厚い本でもすぐに読む事が出来る事にも驚いた。再読リストに入っているので、そろそろ引っ張りだして読んでみようか、というところ。
主人公である売れない作家・関口の報われなさと、無愛想だが博識な古物商・京極堂など、キャラクターが魅力的なのも読みやすさの理由の一つだろう。
景山民夫「遠い海からきたCOO」
こちらは小学生か中学生の頃に呼んで感動した覚えがある。アニメ化されていた事も知っていた当時の私は、生意気にも「これ、子ども向けでしょ?」と敬遠していた。見かねた親が、「直木賞受賞作だ」と教えてくれたので、渋々読むことにしたのだった。が、読了後は読了前の自分を張り倒したい気持ちになった。最後は感動のあまり泣いていたような覚えも有る。今となっては、作品を思い出す度に生意気な自分を反省してしまう。
堀辰雄「風立ちぬ・美しい村」
清涼感のある静謐な夏を感じたいなら堀辰雄の「風立ちぬ」だ。こちらも高校時代に読んでアンニュイな気分に浸っていたのを覚えている。
無料の電子書籍版もある。
言わずもがな、この夏公開されるスタジオジブリ作品の最新作「風立ちぬ」のモチーフとなった作品でもある。
村上春樹「海辺のカフカ」(上下)
夏→海→海辺カフカという安易な連想だが、やっぱり夏が合う。15歳の旅立ちというところも青春という感じだ。
沢木耕太郎「深夜特急1―香港・マカオ―」
著者が世界各地を旅をするノンフィクション作品。ジリジリと焼き付けるような太陽の下で、汗だくになりながら旅行する様子が、いかにも夏。敢えてクーラーを付けずに、汗だくで読んで旅の雰囲気を体感したい。
紀行文といえばこちらの記事にもまとめている。お時間の有る方はぜひ。
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暑い夏も読書で楽しめそうだ
開放的なイメージのある夏だが、図書館や家でじっくり読書というのも楽しい。
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