2012年に読んで面白かった本ベスト10
今年読んだ本の総括
だんだんと2012年も終わりに近づいてきましたね。
いい機会なので、今年一年間に読んだ本で面白かった本(印象に残っている本)のベスト10を決めました。あと半月ほど期間がありますし、進行形で読んでいる本もありますが、読みきったもののみを対象としています。
大江健三郎「叫び声」
現代作家オススメの本をまとめたこちらの記事(現代作家お薦めの本で気になった本をまとめてみた)がきっかけで、大江健三郎の未読作品を読んでみることにしました。伊坂幸太郎なども何度か面白い本として挙げている「叫び声」ですが、ストーリーやキャラクターがしっかりしていて、すごく引きこまれました。
【ネタバレ注意】大江健三郎「叫び声」が面白くて1日で読み切ったでも詳しくご紹介していますので、ご覧ください。
他に、「われらの時代」なども印象深かったです。
村上春樹「1Q84」(BOOK1〜3)
今年は「1Q84」YEARといっても過言ではないでしょう。三部作にも関わらず、ハードカバー・文庫ともにかなり売れたようですね。悔しいけど、やっぱり面白かった。
1Q84関連ではこちらの記事もどうぞ。
「1Q84」関連で「読んでてよかった本」「これから読みたい本」 | Webooker
この記事の後、結局ジョージ・オーウェルの「一九八四年」を読みました。これは本当に読んでおいて良かったです。あらゆるところで話題になっているし、例として挙げられる事も多いからです。例えば後述の「スティーブ・ジョブズ」に於いても、非常に印象的なエピソードが出てきます。未読の方はぜひ。
有川浩「植物図鑑」
恋愛物で今年一番おもしろかった。色々な野草を食べるという発想も、恋愛の展開も◎。カスヤナガトのイラストもポップで可愛かったです。
詳しくはこちらの記事で。
飾っておきたい甘〜い単行本。有川浩「植物図鑑」 | Webooker
村上龍「村上龍自選小説集Ⅰ」
「69」「村上龍映画小説集」「限りなく透明に近いブルー」「KYOKO」所収の自薦小説集です。
「コインロッカー・ベイビーズ」(上下巻)も今年読んだので、どちらを入れるか迷いましたが、より印象に残っているのは「限りなく透明に近いブルー」や「KYOKO」だったので、「村上龍自選小説集Ⅰ」にしました。
伊坂幸太郎「砂漠」
学生ノリが好きだという伊坂幸太郎の、大学生5人を描いた「砂漠」。これを読むと麻雀がしたくなりますwそれぞれのキャラクターに特徴があって面白い。「SOSの猿」にも通じるところがある、超能力が使える女子大生も出てきます。(「SOSの猿」との連関性はないですが。)特に大好きなのが「西嶋」という男子大学生。ぜひ、読んで西嶋のキャラを見てみてください。
森博嗣「小説家という職業」
奇才・森博嗣による、小説家論。こんな小説の書き方、誰にも真似できません。本書はどちらかというと小説家そのものというよりも、「売れる小説家」になるためのセルフマネジメント方法などが書かれています。夢中になって読んでしまい、2〜3時間程で読めました。
こちらでも詳しく書いていますので、どうぞ。
詰まらずサラリと読める「気軽本」10冊 | Webooker
「スティーブ・ジョブズ Ⅰ Ⅱ」
最後の方は泣きながら読んでいました。ジョブズについては「Appleを作った人」程度の認識しか持っていませんでしたが、まず独特の食事や、禅やスピリチュアルなものへの深い傾倒、生涯に渡って愛したボブ・ディラン、若い頃にハマったLSDなどなど、とにかく、よくも悪くもとんでもない人物であることがよくわかりました。文章だけだと分かりづらいので、録画してあったNHKスペシャルの映像を見たり、ネットで画像や動画を検索しながら読みました。読んで良かった。
原田正治「弟を殺した彼と、僕。」
ニュースを見ていると、犯罪者に対して「極刑を求む」、というコメントをよく見かけます。「ひどい事をしたんだから当然だ」という意見も多いでしょう。私もそれほど違和感なくニュースを見ていましたが、この本を読んでからは少し見方が変わりました。弟を殺された被害者遺族である著者は、犯人を死刑にする事に最後まで抵抗しました。複雑なその心中や、生活にどんな影響を及ぼしたか、仔細に書かれています。
元々は森達也「死刑」を読んで知ったこの著作ですが、被害者遺族が書いた「死刑反対」の本は、大きな意義があるものだと思いました。
詳しくはこちらの記事に書きました。
人は人を殺せる。でも本当に人を殺していいの?―「弟を殺した彼と、僕。」(原田正治著) | Webooker
井伏鱒二「夜ふけと梅の花」
名作「山椒魚」を含む初期代表作の十六篇。昭和五年刊行されて、著者の文学的出発を告げた新興芸術派叢書版『夜ふけと梅の花』収録の短篇群に、「山椒魚」の原型作品で、太宰治を心酔させた「幽閉」併録。
この本のお陰で、「山椒魚」について色々調べました。当時話題になっていた最後の部分の改変について、なぜ井伏鱒二はそうしたのか、思いを巡らせて楽しめました。(この本には、「山椒魚」とその原型作品である「幽閉」が併録されています。)近代文学史上、注目された「山椒魚」を、改めて読んでみるのもなかなか良かったです。
アレックス・シアラー「チョコレート・アンダーグラウンド」
「健全健康党」が選挙で勝ったその日から、「チョコレートなどの甘いものを禁止」する法案を可決させます。ハントリーとスマッジャーという二人の少年は、チョコレート禁止に立ち向かい、革命を企てます。とても子どもとは思えない発想と行動力、そして全体を通して読んだ時、国家転覆の革命はこのように起こるのか、という気持ちにもなりました。(そう上手くは運びませんけどね。)
読みながらチョコレートをいっぱい食べてしまいました。
2012年もたくさんのおもしろい本に出会いました
古典の名作から新作まで、幅広く読書出来ました。これからは「近々読みたいと思っている本10冊」をメインに読み進めていきます。年末年始も、読みまくるぞー!
[…] ンキングが発表されています。一々見に行くのは面倒なので、まとめてみました。Webookerでも、2012年に読んで面白かった本ベスト10をまとめていますので、よろしければ覗いてください。 […]